ワーケーション・チームビルディングの可能性とは
― 今注目される新しい働き方と導入メリット ―
近年、働き方の多様化が進む中で、「ワーケーション」という新しいスタイルが注目を集めています。
これは「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた言葉で、リモートワークの普及に伴い、観光地やリゾート地で仕事をしながら滞在する形が広がっています。ワーケーションは、単なる休暇中の作業ではなく、企業戦略や地域活性化にもつながる可能性を秘めています。
本記事では、ワーケーションの意義とメリット、そして具体的な導入・実施事例について詳しく解説します。
目次
2. ワーケーションを導入するメリット
‐ 自治体・DMO・観光協会向け
‐ 観光・宿泊事業者向け
1. ワーケーションとは
ワーケーションとは、オフィス以外の場所で仕事をしながら、地域の魅力を体験する新しいワークスタイルです。コロナ禍を経てリモートワークが一般化したことで、企業の柔軟な働き方推進と、地方活性化の両面から注目されています。
ワーケーションの形態には、大きく分けて以下のようなパターンがあります。
- 個人型ワーケーション:個人がリモートワークを活用し、好きな地域で働きながら過ごすスタイル。
- 企業研修型ワーケーション:チームビルディングや幹部研修など、組織単位で行われるワーケーション。
- 地域共創型ワーケーション:自治体や企業が連携し、地域の産業振興や関係人口の増加を目的とした取り組み。
特に企業研修型ワーケーションでは、業務効率の向上やチームの結束力を高める効果が期待されており、多くの企業が導入を検討しています。単なる「休暇を兼ねたリモートワーク」ではなく、目的意識を持った活用が鍵となります。
2. ワーケーションを導入するメリット
ではここで、受入れ側である事業者の皆様にとって、どのような点でメリットがあるのかご説明いたします。
自治体・DMO・観光協会向け
- 地域の関係人口・交流人口の増加
ワーケーションにより、都市部のビジネスパーソンが一時的に地域に滞在し、地域とのつながりを持つきっかけが生まれます。これにより、移住促進や関係人口の増加につながります。
- 企業誘致や地域活性化
地域にサテライトオフィスやワーケーション対応の宿泊施設を整備することで、企業の進出やビジネス利用の増加を促進できます。
- 地域経済の活性化
ワーケーション利用者が地元の飲食店や観光施設を利用することで、地域経済の活性化にも貢献します。
観光・宿泊事業者向け
- 平日の稼働率アップ、長期滞在ニーズへの対応
一般的な観光客と異なり、ワーケーション利用者は平日も宿泊し、長期滞在する傾向があります。オフシーズンの集客にも貢献する可能性があります。
- 研修・インセンティブ旅行市場の拡大
企業がチームビルディングや幹部研修を目的としたワーケーションを取り入れることで、宿泊施設やアクティビティ提供事業者との新たなビジネス機会が生まれます。
- サービスの高付加価値化
ワーケーション向けに、快適なワークスペースの提供や特別なアクティビティを組み込むことで、宿泊施設の魅力を高め、高単価の利用者を獲得できます。
3. 「チームビルディング」としてのワーケーションが注目される理由
近年、ワーケーションは単なるリモートワークの延長ではなく、チームビルディングの手法としても注目を集めています。特に、企業が組織力強化を目的として取り入れるケースが増えており、単なるリラックスの場ではなく、戦略的な施策として活用される動きが活発化しています。
では、具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
- 従業員エンゲージメント向上
ハイブリッドワークの普及により、社員同士のリアルな交流機会が減少しています。オフィスを離れた環境でのワーケーションを通じて、コミュニケーションの活性化やチームワーク向上が期待できます。
- リフレッシュ&創造性の向上
日常のオフィス環境を離れることで、従業員のリフレッシュにつながり、新たなアイデアや発想が生まれやすくなります。
- 組織の柔軟性と適応力強化
異なる環境での業務を経験することで、従業員の適応力や問題解決能力が向上し、組織全体の柔軟性が高まります。
4. 導入・実施事例の紹介
近年、多くの自治体や観光事業者がワーケーションの可能性に注目し、施策を積極的に展開しています。特に、地域資源を活かした独自のワーケーションプログラムは、企業やリモートワーカーに新たな価値を提供しています。ここでは、国内外の具体的な成功事例を紹介します。どのように地域資源を活かし、企業や自治体が取り組んでいるのかを見ていきましょう。
国内事例①:沖縄県におけるワーケーション推進の取り組み
沖縄県では、自治体や観光関連団体が連携し、ワーケーションの受け入れ環境を整備する取り組みを進めています。その中心的な役割を担っているのが、一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)です。OCVBは、企業や団体が沖縄でワーケーションを実施しやすくするための支援や、地域との連携促進に力を入れています。
具体的な活動としては、
- 企業向けワーケーションプログラムの提供
企業がチームビルディングや研修を目的としたワーケーションを実施できるよう、宿泊施設やワークスペースの紹介、アクティビティの提案を行っています。
- 地域との共創を重視したワーケーションの推進
地域住民や事業者との交流機会を設け、単なる滞在にとどまらない「地域との関わり」を生み出すワーケーションを推奨しています。
- ワーケーション情報の発信とサポート
「沖縄ワーケーションポータルサイト」を運営し、企業・自治体向けにワーケーション実施のメリットや具体的なプランを紹介しています。
このような取り組みにより、沖縄は「観光地」としての魅力だけでなく、「ビジネス環境としての魅力」も高めており、多くの企業・団体がワーケーション先として選ぶようになっています。
国内事例②:千葉県におけるワーケーション推進の取り組み
千葉県は、首都圏からのアクセスの良さと豊かな自然環境を活かし、ワーケーションの推進に積極的に取り組んでいます。その一環として、「CHIBA Workation(千葉ワーケーション)」プロジェクトを展開し、企業や団体が千葉県内で快適にワーケーションを実施できるようサポートしています。
具体的な取り組みとしては、以下のようなものがあります。
- 多様なワーケーション拠点の整備
海沿いのリゾートエリアから里山地域まで、県内各地で快適なワークスペースを提供。ワーケーション施設の紹介や、企業向けのカスタマイズプランも充実しています。
- 体験プログラムの提供
企業研修型ワーケーションを支援するため、SUP(スタンドアップパドル)や農業体験など、チームビルディングに適したアクティビティを用意。仕事とリフレッシュのバランスを考えたプログラムを提供しています。
- 地域との連携を重視
ワーケーションを通じて地域とのつながりを深めるため、地元の事業者や自治体と協力し、長期滞在促進や関係人口の増加を目指しています。
これらの取り組みにより、千葉県は企業の「働く場」としての新たな選択肢を提供し、ワーケーションを通じた地域活性化にも貢献しています。
海外事例:韓国におけるワーケーションの取り組み
韓国でも、ワーケーションが新しい働き方の一つとして注目を集めています。特に「Hoppin(ホッピン)」は、リモートワークとライフスタイルを融合させたワーケーションプラットフォームとして、多様な働き方を支援しています。
Hoppinの特徴と取り組み
- 全国のワーケーション拠点の提供
Hoppinでは、韓国国内の多様なワークスペースや宿泊施設をネットワーク化し、ワーケーション利用者が自由に選べる環境を整備。都市部から自然豊かなリゾート地まで、企業や個人のニーズに応じた拠点が揃っています。
- 企業向けのカスタマイズプログラム
企業のチームビルディングや幹部研修向けに、ワーケーションプログラムを提供。単なるオフィス外勤務ではなく、組織の生産性向上やチームの結束力を高めるための施策が組み込まれています。
- ワーケーションを通じた地域活性化
地方自治体や観光団体と連携し、ワーケーション利用者が地域の文化・観光資源を体験できるプログラムを実施。地域経済の活性化と持続可能な観光を推進しています。
韓国のHoppinのような事例は、ワーケーションが単なる働き方の選択肢にとどまらず、企業の成長戦略や地域振興にも貢献できることを示しています。日本国内の自治体・DMO・観光協会も、こうした取り組みからヒントを得ることで、より魅力的なワーケーション環境を整備できるでしょう。
5. ワーケーション導入を検討中の方へ|展示会で最新情報をキャッチ
これまで紹介した事例やメリットを踏まえ、ワーケーションの導入に関心を持たれた方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に導入するには「具体的な成功事例を知りたい」「他の事業者や自治体の取り組みを参考にしたい」「企業との接点を増やしたい」といった課題があるかもしれません。
本展が主催する商談向けの展示会では、ワーケーション・チームビルディング関連の特別ゾーンを設けています。このゾーンにご出展いただくことで、最新トレンドや成功事例の共有、業界関係者とのネットワーキングの場として活用いただけます。
参加することで、新たなパートナーシップの創出にもつながります。ワーケーション導入に向けた実践的なアイデアを得るためにも、ぜひご参加ください。
ご興味ある方は、下記よりお問い合わせください。
展示会に関する情報
第3回 [国際]ウェルネスツーリズム EXPO
会期: 2025年6月25日(水)~27日(金)
会場: 東京ビッグサイト
主催: RX Japan株式会社
同時開催展: 第2回 観光DX・マーケティングEXPO